今回は皆さんの生活にも定着しているオムニチャネルを解説していきたいと思います。
コトラーのマーケティング4.0にもあるオムニチャネル・マーケティング戦略についても解説していきたいと思います。
オムニチャネルマーケティングとは?
オムニチャネルマーケティングとは、さまざまなチャネルを統合して、シームレスで一貫性のある顧客経験を生み出す手法です。
オムニチャネルマーケティングの意味をそのまま書くとすこし難しいですよね。
オムニチャネルを簡単にいうと、顧客が何かを欲しいと思ったときにいつでもどこでも注文できたり、自宅やコンビニ、店舗などの好きな場所で受け取れたりする仕組みのことです。
顧客とサイトや実店舗いろんな接点を持つことで購買に結び付けていくためのものです。
イメージしやすい例で行くとAmazonや楽天などのECサイトもそうです。
皆さん一度は使用したことがあるかと思いますが、いつでもどこでもスマホさえあれば注文できて、どこで何時に受け取るかも自由に選択できますよね。
こういった仕組みをオムニチャネルといいます。
オムニチャネルマーケティングの重要性
いまではAmazonなどのECサイトの発展で大体の商品がデジタルな環境で手に入りますよね。
しかしどうでしょう?実物見に店舗に行ったり、ネットで知ったものをAmazonや楽天などで購入したり、ネットで知ったものを店舗に買いに行ったりといろんなチャネルで買い物をしていますよね。
つまり、顧客はECサイトのみや店舗のみなど一つのチャネルで完結した消費を行っていないという事実がわかります。
そこですべてのチャネルを具体的には、店舗やサイトなどを組み合わせて顧客に対して、いつでもどこでも購買ができる環境づくりを行うオムニチャネルは非常に有益です。
そして、オムニチャネルを構築することには企業側/顧客側に様々な利点があります。
顧客満足度の向上
顧客の立場からするといつでもほしいものを注文できたり、好きな場所で受け取れるのはすごく便利なことですよね。
店舗だけでしか買えないやECサイト限定は確かに希少性があり、それはそれで魅力的かもしれませんが、欲しい時に欲しいものが手に入るということは言うまでもなく、顧客満足は向上しますね。
売り上げ増加
店舗やサイトでいつでも顧客の目に触れることのできる状況は、企業にとって顧客に様々な提案をできるという利点があります。つまり売り上げ増加のチャンスも多くなることが見込めますよね。
ついついネットでついで買いものをしてしまった経験が皆さんあるかもしれませんが、このついで買いも顧客との接点が増えていることによって起きる現象ですね。
在庫の有効活用・ 配達コストの削減
ECサイトの受け取り場所として、顧客の近くの店舗や近くのコンビニになれば在庫を抱えている倉庫からの配送にはならずに最短距離で顧客まで届けることができますね。これは、配送コストを抑えるのに非常に効果的です。
極端な例で行くと、ECサイトで注文された商品を海外から船を使って輸送するのと店舗にある在庫をそのまま受け取ってもらうのであれば配送にかかる費用はどちらが高いか明白ですよね。
オムニチャネルマーケティングを成功させるためには?
オムニチャネル・マーケティングを成功させるには、マーケティングを行うものがカスタマージャーニーを細かく分析する必要があります。
タッチポイントとチャネルをマッピングする
これはカスタマージャーニー全体に顧客と企業の接点とそのチャネルを紐づける必要があります。
具体的には、コトラーのマーケティング4.0に出てくる5A理論全体に考えられるすべてのタッチポイントとチャネルをマッピングしていきます。
※コトラーのマーケティング4.0の5A理論とは、近年のカスタマージャーニーを説明したものでしたね。カスタマージャーニーとは、消費者の行動プロセスのことですね。
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例えば、最初の「認知」の段階では、顧客は何で情報得ているかということなので、広告というタッチポイントで商品などを知ることになります。そしてそのチャネルはバナー広告なのかCMなのか、チラシなのかといったようにいろんなチャネルが存在しマッピングすることができますね。
このように顧客の消費プロセスと顧客との接点、チャネルとマッピングしてあげることがオムニチャネル・マーケティング戦略の第一段階です。
重要なタッチポイントとチャネルを特定する
マッピングした後は、自社の場合どこで一番購買に結び付いているかを分析する必要があります。
例えば、リンゴを販売している企業があったとします。そのリンゴを買うために顧客はどのような順序で購入しているでしょうか?ネットサーフィン中にバナー広告を見つけて、店舗に見に行ってみて買うでしょうか?それとも店舗で初めて見ておいしそうだなと思って、その場で1個買ってみておいしかったので、サイトから箱で購入するとかいろんなシナリオが考えられますよね。コトラーはこのような顧客が購入までに行動する様々な順序のことをカスタマージャーニー・シナリオと呼んでいます。
こうしたシナリオを分析し、どのタッチポイントとチャネルを拡充していくかを限られた経営資源の中で決定していくことが重要です。
重要なタッチポイントとチャネルを改善
当たり前ですが、状況は日々変わっていくので、改善は必要ですよね。
もしかしたら、重要なタッチポイントとチャネルが全く変わってしまうこともありますからね。
オムニチャネルマーケティングの事例
オムニチャネルを利用したサービスを展開するスターバックスの例を紹介していきます。
スターバックス
スターバックスと聞くと、コーヒーですよね。
スターバックスでもこのオムニチャネルを利用して事業を展開しています。
2014年にアメリカのスターバックスは、「待ち時間も皆生もなしに受け取れるサービス」の開始を発表しました。
その名も「モバイル・オーダー&ペイ」です。
このサービスは、事前にアプリから注文をしておき好きな場所で受け取れるサービスになっています。
現在、日本でも利用できるこのサービスは、店舗が混雑していたり、
店舗に行く時間がない顧客に対しても商品を提供することができるという利点があります。
並ばずに会計する時間も短縮して商品が手に入るというのは夢のような仕組みですね。
まとめ
皆さんいかがだったでしょうか?
皆さんの生活にオムニチャネルの仕組みがなじんでいることを感じましたか?
こうしてみるとすごく便利な時代ですよね。
便利なサービスの背景には、このように企業努力が絡んでいるんですね!
ではでは!
参考文献
2時間でわかる 図解オムニチャネル入門 ―ついにリアル店舗からの逆襲が始まった/角井亮一 (著)
コトラーのマーケティング4.0 スマートフォン時代の究極法則
フィリップ・コトラー (著), ヘルマワン・カルタジャヤ (著), イワン・セティアワン (著), 恩藏直人 (監修), 藤井清美 (翻訳)