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アンパンマンがなぜ長く愛されているか。アンパンマンのマーケティングとは?

  • 2020年10月3日
  • 2020年10月3日
  • MARKETING
 
こんにちは!
グットライフのマネです。
今回は、「アンパンマン」がいろんな世代に愛される理由をマーケティングの側面から勝手に考察していきます。



アンパンマンといえば、国民的アニメの一つとして有名ですね。
皆さんも子供のころはよく見ていたのではないでしょうか?もしくはお子さんがいて、大人になった今でも子供と一緒に見ている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
アンパンマンは日本人の人生で一度は通る、通過儀礼のようなもの、つまり七五三や成人式みたいな一大イベントになりつつあります。それぐらい日本の中で抜群の知名度と人気を誇っています。

アンパンマンの歴史

アンパンマンは幼児向けに作られたものではなかった?

アンパンマンは、今でこそ子供たち、およそ幼稚園くらいまで?に大人気のキャラクターです。つまりターゲットとしては幼稚園までの子供とその親になります。

しかし、皆さん知っている方もいらっしゃるかもしれませんが、アンパンマンはもともと1969年雑誌PHPで大人向けに書かれた童話がもとになっているのです。

当時は、小太りの男がお腹をすかせた子どもにアンパンを配るというものだったそうです。(出典:初代「アンパンマン」は大人向けの童話だったhttps://www.oricon.co.jp/news/2041004/full/)

1973年にフレーベル館の月刊絵本「キンダーおはなしえほん」に「あんぱんまん」が掲載された。このアンパンマンが現在と同じく、顔がアンパンでできたヒーローがおなかをすかせた人にアンパンを差し出すというお話になっている。
ここでようやく今と同じ子供向けの漫画になった。当初は幼児向け絵本でありながら、貧困に苦しむ人々を助けるという難解な内容であり、幼児たちに理解されないだろうと編集部や幼稚園の先生から批判を浴びていたそうだが、販売から数年がたった後、予想に反して幼稚園や保育園などから注文が殺到したそうです。
その後、1988年にアニメ「それいけ!アンパンマン」が放送開始し、今の不動の人気を構築していった。( 出典:https://www.anpanman.jp/about/history.html)

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なぜアンパンマンはヒットしたのか?

だがここで、疑問を感じないだろうか?
なぜ教育や出版社のプロが批判した内容の絵本が子供には受け入れられたのだろうか?当初批判した編集部の方々も数多くの絵本を手掛けており、子供向けのコンテンツには精通しているプロである。しかし、アンパンマンがヒットするなんてこれっぽっちも思っていなかっただろう。

アンパンマンのセグメンテーション

アンパンマンのヒットの理由の一つとして、結果論であるが、セグメンテーションが確り行えていたことがあるだろう。

マーケティングにおける「セグメンテーション」とは、「ターゲットの顧客層を決定するために、顧客を分類する方法」の事を言います。昨今のマーケティングではこのセグメンテーションが非常に重要です。なぜなら、人ぞれぞれ趣味嗜好があり、欲しいものが異なるはずだからです。こう聞くと「当たり前じゃん」と思いますよね。


しかし、従来のマーケティングでは「マスマーケティング」と呼ばれる対象を絞らず多くの人に同じものを売っていました。大量生産・大量販売・マスメディア(新聞/テレビなど)を用いたマーケティングだったというわけです。
近年では、インターネットの発達により、いろんなモノや情報が誰でも簡単に手に入るようになりました。また、InstagramやTwitterなどのSNSの発展に伴い、個人的な行動パターンや趣味、プロフィール情報まで簡単に他の人が見れてしまうような時代です。このような個人情報を用いることで本当にその人が喜ぶものを企業が提案できる時代になったことが、セグメンテーションが非常に重要になった背景にあります。つまり逆説的にいうとマーケティング効果を最大化するために莫大な情報を分析し、市場を細分化し、一人一人に合った(パーソナライズドされた)アプローチをしていかなければモノやサービスが売れない時代になっています。

さて話が脱線しましたが、アンパンマンは上記のパーソナライズ的なマーケティングをしていないまでも、非常によりセグメンテーションをしているといえます。セグメントの切り方は様々ですが、アンパンマンは二つの大きな切り口を使っているといえるでしょう。
一つ目が人口動態変数(デモグラフィック変数)を用いた切り口です。デモグラフィック変数とは、年齢、性別、職業、所得、学歴などの要素で分類するものです。
二つ目が心理的変数(サイコグラフィック変数)です。これは、価値観や趣向、ライフスタイル心理的特徴みたいないわゆる「感性」に基づく区別です。
この「デモグラフィック変数×サイコグラフィック変数」を用いたセグメンテーションが非常に成功しているのがアンパンマンの特徴であると考えられます。

デモグラフィック変数の観点でアンパンマンは幼児向けの絵本として出版を始めたことから対象を0歳~5歳くらいまでに絞っています。その年代のサイコグラフィック変数的な側面を見てみると、赤ちゃんや幼児は円形や人の顔を好むということが1960年代に心理学者のR.L.ファンツの視覚的選好を調査した実験で証明されている。また、幼稚園児を対象とした日本のある研究結果では、幼児の好む色が黄・赤・オレンジなどの暖色系の色より好まれるという結果も出ている。
ここまでを情報を整理すると、「 0歳~5歳くらい までの子供は、円形の暖色系(黄・赤・オレンジ等)を好む」ということがわかる。どうでしょうか?アンパンマンはこの条件にピッタリのキャラクターだと思いませんか?アンパンマンというキャラクターを絵本にし幼児向けにしたのはとてもいいことだと言えますね。

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アンパンマンのニッチ戦略

アンパンマンの特徴を冷静に考えていただきたい、アンパンマンを他者に説明するときあなただったらどう説明するだろうか?

簡単に説明すると「顔がアンパンでできているヒーロー」となるだろう。
また、おなかがすいた子供がいれば顔を引きちぎり、食料として渡すという異色のヒーローですね。
そのようなヒーローが他にいるだろうか?
これはアンパンマンがヒットした一つの理由になると考えられる。
つまり、競合がいないということです。これは独占的に市場を支配しているといっても過言ではありませんね。需要がある限りその市場はアンパンマンで独占されているということになりますね。そんな市場があるかわかりませんが。。。少なくともヒーローとかキャラクターの業界では唯一無二の存在といえるでしょう。

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アンパンマンのブランディング戦略

マーケティングにおけるキャラクターのブランディングには、キャラクター自体のストーリー性、精神性が非常に大事です。これは見ている人との深い絆を築くことにつながるからです。親近感とも言うべきでしょうか。人と人の関係でも同じですよね、その人の年齢や性格、どんなことを経験してきたかなど個人的な情報を知っていれば知っているほど親しい中であり、深い絆がありますよね。
アンパンマンは出版当初の酷評の嵐から継続的にかつ一貫性をもって、長期的に粘り強く「アンパンマン」というブランドを世の中に発信し続けたことが大きな成功要因の一つといえるでしょう。

まとめ

これまで述べてきたアンパンマンがヒットしたマーケティング的な理由はまとめると以下のようになります。

①デモグラフィック変数×サイコグラフィック変数を利用した顧客選択(セグメンテーション)
②ヒーロー・キャラクター市場で唯一無二のニッチな存在
③一貫性を持ち「アンパンマン」というキャラクターの情報を発信しつつげた粘り強さ

ではでは!

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