今回マーケティングの一番最初のリサーチの部分で利用するフレームワークである、PEST分析を解説していきます。
PEST分析とは?
PEST分析とは、
政治(Politics)、経済(Economics)、社会(Society)、技術(Technology)の4つの視点から事業を取り巻く外部の環境を分析する手法です。
社会の環境の変化から、その業界で成功するにはどうしたらいいかを分析していきます。
PEST分析の位置づけ
このPEST分析は、マーケティングの一番最初の手順である事業をとりまく、内部・外部環境と市場調査を行っていく際に利用するフレームワークです。
自社の強みや弱みを分析し、業界内での立ち位置を把握することが目的です。
PEST分析の重要性
この分析を行うことで、企業としてどの層にどのように製品やサービスを売り出していくかを検討しやすくなります。
外部の環境の変化を考え、これからどうなっていくかを見極めマーケティング戦略をどのように変えていけばいいかの助けになること間違いなしです!
PEST分析の要素
それぞれ何を分析・検討する必要があるかを説明していきます。
ここで注意点は、現時点の状況だけでなく数年先や数十年先の中長期的な視点も予測していくことが重要ということです。
4つの切り口でそれぞれ中長期的にどうなっていくかを検討することで製品やサービスをどのように売り出していけばいいかおのずとわかるようになります。
政治:Politics
政治は、わかりやすいところからいうと法律ですね。
どんなに良い製品やサービスを考えて売り出そうとしても法に触れるものは売れませんよね。
そのほか政策や外交など難しい政治的な部分も考慮した分析が必要になってきます。
経済:Economics
経済面ですと景気がどうなっているのか、好景気か不景気かでそのあとの戦略を練る段階や広告をどう打ち出すかを考える重要な要因になりますね。
また、金利や失業率、所得、物価の変動など多くの経済指標を分析する必要があります。
社会:Society
人口や人々のライフスタイルが今どうなっているかを検討する必要があります。
教育や犯罪、世論などの要因も分析が必須ですね。
技術:Technology
最新技術の動向やどの技術に投資が集まっているかなどを調査する必要があります。
PEST分析の事例
今回は、ピジョンの実例を説明していきたいと思います。
少子高齢化に対応したピジョン
「平和な社会の将来をになう子供たちが、健やかに育ってほしい」という考えのもと創業したのがピジョンです。
哺乳瓶だったりベビー用品を扱っている同社ですが、お子さんをお持ちの家庭ではなじみ深い方も多いのではないでしょうか?
昭和30年代に哺乳瓶の開発などを実施していたピジョンは、高度成長期が終わった日本が本格的な少子高齢化が始まることにいち早くしたそうです。
それまで行ってきたベビー用品の開発で培ったノウハウを生かし、1976年に高齢者をターゲットとしたヘルスケア用品事業に参入しました。
老化に関する研究を重ねて同社は介護用品や老化防止用品の商品化を進め、企業の成長に大きく寄与する結果となったそうです。
このように 社会の外部環境をしっかりと分析し、 社会構造の変化を予測することで事業を展開していくことが企業の成長に大きくつながることが体現されていますね。
まとめ
みなさんいかがでしょうか?
最初のリサーチはマーケティングでとても重要な要素ですのでしっかり行っていきましょう。
ではでは!
参考文献
カール教授のビジネス集中講義 マーケティング/平野敦士カール (著)