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マーケティング近視眼とは?マーケティング界の巨匠レビットから学ぶ!

マーケティング近視眼とは?

 
マーケティング近視眼ってなに?

ハーバード・ビジネススクールの名誉教授であるT・レビットが

1960年に発表した論文が「マーケティング近視眼」です。

ここでいうマーケティング近視眼とは、
顧客中心ではなく製品を中心に考えてしまうことである。

マーケティング界の巨匠 T・レビット

T・レビットは、1925年に生まれ、カリフォルニア州にあるアンタキア大学を卒業後、オハイオ州立大学で博士号を取得後、大学の教育職に従事する。その後、1960年に歴史的名論文である、「マーケティング近視眼」(Marketing Myopia)を発表した。

この「マーケティング近視眼」という論文はマーケティングを世界に広める大きな役割を果たした歴史的名論文といわれている。

1950年代まで、マーケティングは戦略経営に必要なものと認知されていなかったが、その考え方に変化をもたらすことになったのが、レビットの「マーケティング近視眼」である。

このマーケティングの重要性と顧客視点を書いた論文は世界中の企業の経営に大きな影響を与えた。この功績によってマーケティングの概念を世界中の企業に広めた人物として、もう一人の巨匠フィリップ・コトラーと並んで、今日のマーケティング界を作り上げた巨匠と評される人物である。

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マーケティング近視眼の意義

1960年、世界経済が高成長しているなか、モノは作れば売れるそのような考え方が、世界中に蔓延していた。その常識を覆したのが、「マーケティング近視眼」である。

当時の企業の最大の課題は、いかに生産性を上げモノを大量に作れるかであった。一方で、レビットは「モノを作る前に顧客のニーズの把握することが先決である」と企業を説いた。製品を手にしたときに顧客にどんな利益があるかを考えることの重要性を指摘したのである。顧客の重要性にいち早く目を付けた先見性があることが見て取れる。

ちなみにこの顧客志向のマーケティングについては、顧客重視の経営を説いたドラッカーの思想をマーケティングの分野にいち早く取り入れたものといわれている。

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マーケティング近視眼の具体例

 
マーケティング近視眼の事例ないの?

ここでは、具体的な事例を取り上げてマーケティング近視眼を説明していきます。レビットは「マーケティング近視眼」の論文で事業衰退の原因について、具体的な事業をもとに説明している。その中の一部を取り上げていきます!

鉄道会社の例

1960年のアメリカでは鉄道会社の経営が急速に厳しくなっていました。そこでレビットは論文の中で、旅客と貨物輸送の需要が増えているにもかかわらず、

鉄道会社が衰退したのは、鉄道以外の手段の自動車や飛行機に奪われたからではなく、鉄道会社自体が顧客のニーズをみたすことができなかったからであると述べています。

鉄道会社は、事業の定義を誤り自社を輸送事業ではなく鉄道事業ととらえ、輸送を目的でなく、鉄道を目的としたことで事業が衰退したのである。

つまり顧客中心ではなく、鉄道(製品)を中心に考えてしまったマーケティング近視眼的思考が誤りであると分析している。

なぜ事業は衰退するのか?

マーケティング近視眼的な思考に陥り、事業が衰退してしまう原因について、レビットは共通する4つの条件があると論文中で説明している。

以下の4つの条件が経営の判断を鈍らせ、事業衰退に陥る原因と述べている。

①世界中の人口が増え続け、消費者が増え続けるからどんな産業も成長を続けるという考え

②自社の製品に対して代替品がないと確信してしまう考え

③大量生産に伴うコスト低下が正義とする考え

④科学技術の発展に伴い研究開発が進めば利益が必ずでるという考え

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まとめ

みなさん

半世紀以上もたった今も色あせない名論文、

「マーケティング近視眼」をなんとなく理解できたでしょうか?

少しでも皆さんの理解に役立てればうれしいです!

ではでは!

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参考文献

DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー 2001年11月号 [雑誌] 
ダイヤモンド社 (著), DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー編集部 (編集) 

T.レビット マーケティング論/セオドア・レビット (著), 有賀裕子 (翻訳)

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